ヒメハブ
奄美大島にはハブをはじめ、複数種の毒ヘビが生息しています。
ヒメハブは地元の人からマムシと呼ばれますが、マムシとは別の種です。
また、生き物の名前の頭によく使われる「ヒメ」には「小さい」という意味があり、実際にハブよりも小型です。
先日、アマミハナサキガエルの繁殖地にヒメハブがいました。
ヒメハブは、小型~中型のカエルが繁殖するタイミングにあわせて、沢や林道沿いの水たまりなどに集まってきます。
上の写真では、ヒメハブの尾の先が見えています。奄美の民俗に関する古い本には、昼間に落ち葉の下などに隠れて尾だけを落ち葉の上に出し、ミミズのように振ることで寄ってくるアカヒゲなどの小鳥を捕食するヒメハブのことが記されています。
この場所には、少し模様の異なる個体もいました。
今年の春には、アマミアオガエルを捕食するヒメハブも撮影しました。
ヒメハブに襲われたアマミアオガエルは、到底カエルから発せられてるとは思えないような甲高く周囲に響き渡る鳴き声を発していました。
これまでに何度か観察したことがありますが、あの声は一度聞いたら完全に記憶されるほどのインパクトでした。
アマミアオガエルの卵塊の近くにいたヒメハブです。
長い歴史の中で営まれてきた「食う食われる」の関係がバランスよく保たれて、奄美大島の今の自然があります。