西表島(夜の生き物)
前回、西表島で観察した昼の生き物を紹介しました。
昼間は島の周回道路を移動するだけでしたが、夜は少し森の中にも入りました。
夜に観察したいと思っていた生き物は、イリオモテヤマネコ、オオクイナ、イワサキセダカヘビの3種。
いずれの種もハードルが高いことはわかっていたので、どれか1種だけでもという思いでした。
6月下旬。西表島は梅雨明け宣言こそされていなかったものの、私が来る数日前から帰るまでの間、ずーっと快晴でした。
ということで、イワサキセダカヘビは難しいだろうと思っていました。
初日の夜。
土地勘もない中、道に迷うことのなさそうなところを歩きました。
しばらく歩いても観察できるのはサキシマヌマガエルとヤエヤマカジカガエル。
森の中にたくさんのサガリバナが自生していることに驚きました。
そんなサガリバナの香りに酔いしれているとき、樹上にヘビを発見。
「イワサキセダカヘビか」と期待しましたが、サキシマバイカダでした。
これまでに観察したことはあったものの、撮影するのは初めてでした。
翌日、島民の方と話をしていると、サキシマバイカダもなかなか出会えないヘビだとうかがいました。
散策から宿泊地へ戻る途中、路上を横切るのはヤシガニ。
私が見てきた数ある個体の中でも最大でした。
なんと干からびたサキシマハブを運んでいました。
2日目の夜。昼間にさまざまな固有種を撮影しており、運がついているような気がしていました。
散策を始めて間もなく、樹上で休息しているオオクイナを発見しました。
夜間に観察できたのは初めてです。
オオクイナに出会えた喜びの余韻に浸っていたところ、道路脇にいるネコを発見!
車を停めて観察してみると、イリオモテヤマネコでした。
推定個体数は約100頭の希少なヤマネコ。約10年ぶりの観察でした(翌晩も1頭見ることができました)。
締めはツダナナフシ。アダンの葉の隙間にじっとしていました。
ツダナナフシから噴射される独特なミントのようなにおいは、学生時代の研究室を思い出させる懐かしいものでした(研究室で飼育されていました)。
他にも八重山諸島固有の動物との出会いに恵まれた日々でした。
近いうちにまたも、西表島を訪れる機会ができそうなので、今回見ることができなかった生き物はその時のお楽しみです!