森の中にヤッコソウ
深い森の中にひっそりとヤッコソウが咲いていました。
ブナ科の樹木の根に寄生する植物で、奄美大島ではシイ(オキナワジイ)の根に寄生します。
一般的な植物のように光合成することはなく、別の植物から栄養をもらって暮らしています。
写真ではわかりにくいですが、地面から十字型に広がっている鱗状のものが葉です。
今年はすでに開花期の終盤にさしかかっていました。
ヤッコソウは両性花で、はじめは雄花期、それから雌花期へと変わっていきます。
筒状の帽子のようなものを被っている時が雄花期、筒が取れて顔を出す時が雌花期です。
2017年はほぼ同じ場所で群生していました。年によって出てくる数に変動があります。
下の写真は、雄花期と雌花期が混ざっていて、雄しべが地面に落ちている様子も確認できます。
蜜を多く保有する植物でもあるので、リュウキュウメジロ等の鳥類や昆虫が蜜を吸いにやってくることがあります。
奄美大島には、ヤッコソウ以外にもいくつかの寄生植物が生育していますので、開花期にあわせて紹介していきたいと思います。